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東鎌尾根を通って(表銀座3日目)


 表銀座3日目は、ヒュッテ西岳から東鎌尾根を通って槍ヶ岳までです。今回は怖かった。これではこれからどこにも行けないような気がして不安になりました。怖さがどこから来るのか原因を明らかにして、さらに挑戦したいと思っています。30歳の時は、怖くなかったのに20年たったら怖いということはどういうことでしょうか。それでも、自分なりのペースでたどり着いたので、満足はしています。膝痛・動悸息切れなどと上手につきあいながら、挑戦していきます。大先輩のKさんの体力はすごいです。私は体を鍛えなければいけないと本気で思いました。筋肉を落とさずにあと10キロ減量ですね。血管年齢も若返らせることをしないといけません。来年は、槍ヶ岳から大キレット・北穂・奥穂・前穂の縦走を考えています。
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【東鎌尾根の3連梯子の辺りから北の方角を望んだ景色】*カシミール3Dで作成しました。
 
 東鎌尾根縦走3日目は、西岳ヒュッテから槍ヶ岳までの行程を記したいと思います。8月3日の朝、4時50分には、ご来光が見られるかもというかすかな希望を抱きながら外に出ました。外に出ると晴天とは行かないけれど、空が明るくなり太陽が、雲の切れ目からわずかに顔を出しました。今日一日もこの調子でいい天気であることを願いました。疲れているのか今朝は、あまり食欲がありません。これが、後になって東鎌尾根ふらふら縦走の原因になりました。朝飯はしっかりとらないといけないなあと反省しました。



【ご来光;5時47分、朝食;5時21分】

さあ、出発(AM 6時15分)です。東鎌尾根の梯子を期待と不安で少し緊張している自分がいました。天気も良くなりそうです。槍ヶ岳の穂先がわずかに雲の合間から覗いています。西岳の西側を行きます。最初は、下りです。山道の脇には、ニッコウキスゲが見頃で、きれいな姿を見せてくれました。梯子や鎖があり、少し緊張しましたが、特に問題なく進みました。


【ヒュッテ西岳出発の様子です】

しばらく下っていくと、短い鎖場があらわれてきます。さあ、始まったと思いましたが、どきどきしながらも、恐怖感はありませんでした。しばらく、トラバース気味の斜面が続きましたが、鎖もついていてしっかりと道も確保されていましたが、ザレた斜面を鎖を頼りに下るところは緊張しました。


【若干のトラバースと鎖場】

 ザレた斜面をトラバースしたり、鎖を下ったりして水俣乗越にたどり着きました。ちょっと前から、体がふらふらして、恐怖感が増してきていました。食欲がなく朝食をあまり食べていないので、低血糖かなと思い、ブドウ糖を補給したりしていたのですが、不安感や恐怖感が増してきて、ここから槍沢に降りてしまおうかと非常に弱気になったことを思い出しました。優柔不断な私としては、戻るのも不安。下るのも不安。それならこのまま行ってしまおうと決めました。


【東鎌尾根の登り、上部では丸太の梯子が続きます。】

なぜ、怖さを感じるのか不思議に思いながらのスタートです。20年前は、本当に何ともなかったのですが、おかしい?臆病になってしまったのだろうか?なんてことのない丸太梯子も、両手を使いながら登りました。この後が、垂直な3連の鉄梯子を下るのです。とうとうやってきた東鎌尾根の核心部、(AM 9時)緊張感が走りました。


【左上の写真;丸太の梯子、右上の写真;垂直の3連梯子】

 垂直の3連梯子などの核心部をぬけると、比較的なだらかな稜線が続きました。しばらく心穏やかに歩くことができました。3連梯子辺りからでしょうか、若いカップルと仲良くなりました。北海道の方だとお聞きしたのですが、女性の方がインストラクターのような感じで、男性の方が山に挑戦というように感じたのですが、感じのいい若い二人でした。ポイントポイントでその女性に声をかけていただきました。その素敵な声に励まされながら、しかも楽しく東鎌尾根を縦走することができました。下の写真のピンクの短パンをはいている女性です。素晴らしい出会いだったのに名前も聞くことなく、思い出の一コマになってしまいました。


【AM 9時15分】
 
 さあ、最後のヒュッテ大槍までの登りです。ヒュッテ大槍の大槍特性つけ麺を目指して登ります。少し登ると息が荒くなります。情けないですが…。いつの間にか怖さもなくなり、体の震えもなくなり快調です。本当に朝食をしっかり食べなかったための低血糖だったのかもしれません。大槍特性つけ麺まってろよ、ファイト「ヒュッテ大槍まであと10分」という印がありました。1.5倍すると…15分もうすぐです。


【ヒュッテ大槍まであと10分、AM 10時30分】
【ヒュッテ大槍に到着、AM10時50分】 【ヒュッテ大槍名物つけ麺 AM 11時】

 やっと着きました。AM10時50分。先程の印から20分かかりました。倍の時間でした。まあ、深く考えないことにして、大槍特性つけ麺です。その前に、のどが渇いたのでジュースを飲みました。甘いジュースがとてもおいしく感じます。オレンジジュースを飲みました。先程の若いカップルは、このヒュッテ大槍に止まるようです。これから頂上アタックをするようです。さあ、疲れもとれたし、少し天気も心配なので槍ヶ岳山荘に向かって出発します。(AM11時20分出発)



ヒュッテ大槍からは東鎌尾根の岩稜の登りになります。そんなに傾斜はきつくなく、難しい所はありませんが、岩場は緊張します。そこし、歩いて行くと殺生ヒュッテが左下に見えてきました。(AM11時45分)、途中短い丸太の梯子を2か所過ぎるとなだらかな登山道が槍ヶ岳山荘まで続きます。やっと槍ヶ岳山荘に着いたのがPM12時30分くらいだった思います。私たちは小屋に、そして、先程の若いカップルは我々と別れて頂上アタックに向かいました。



 私たちは、部屋で休みました。横になっている内に1時間くらい寝てしましました。雨が降っっています。先程の若いカップルが心配です。頂上で雨に遭っているのでしょうか。私たちは、一日の無事を祝ってビールで乾杯です。Kさんの持ってきたつまみをいただきながら冷たいビールを飲みました。とてもおいしかったです。槍ヶ岳山荘にはキッチン槍というところがあり、焼きたてパンが有名だということで、そこに行ってパンとコーヒーをいただきました。他のお客さんが生ビールを飲んでいるのを見て、つい誘惑に負けて乾杯。下の写真はそのときの様子です。ネットですので顔はNGです。



 夕食はPM5時からです。とてもおいしかったです。酢豚だったでしょうか。ちょっと記憶にないんですが、写真からすると確かに酢豚です。今日も無事に過ごせたことを感じながら就寝。明日からは、下山です。残念です、まだ山にいたいです。



「風雪のビヴァーク」を読み進めるうちに、山でKさんの語ってくれた場面が展開されるのです。息をのみました。思い返せば、表銀座を縦走中、湯俣の谷底が遙か下に見えた頃でしょうか。Kさんが、松濤明の話をしてくれたのです。松濤明は仙台出身だそうです。なぜKさんが松濤明に思いを寄せているのか、私のような若輩者には、想像をもできないことかもしれません。本をさらに読み進めるうちに、松濤明の最後の手記、最後の場面が書かれているところになりました。Kさんの言葉は、一言一句違わず松濤明の最後の手記でした。私はなぜか、Kさんの言葉が印象的に残っているのです。私自身父との約束を守るために登ってきた山、そんな山行の中で聞いたKさんの言葉忘れることができません。Kさんが語ってくれた松濤明の最後の手記の一部を載せてみたいと思います。

1月6日 フーセツ               
全身硬ッテ力ナシ、何トカ湯俣迄と思フモ有元ヲ捨テルニシノビズ、死ヲ決ス      
オカアサン アナタノヤサシサニ タダカンシャ、一アシ先ニオトウサンノ所へ行キマス。           何ノコーヨウモ出来ズ死ヌツミヲオユルシ下サイ ツヨク生キテ下サイ 井上サンナドニイロイロ相談シテ (二頁空白)
井上サン イロイロアリガトウゴザイマシタ カゾクノコトマタオネガヒ、手ノユビトーショウデ思フコトノ千分ノ一モカケズ モーシワケナシ、ハハ、オトートヲタノミマス       
有元ト死ヲ決シタノガ 6・00 今 14・00仲々死ネナイ 漸ク腰迄硬直ガキタ 、  
全シンフルへ、有元モHERZ、ソロソロクルシ、ヒグレト共ニ凡テオハラン、       
ユタカ、ヤスシ、タカヲヨ スマヌ、ユルセ、ツヨクコーヨウタノム、………                
  最後まで書けません。また、この手記に関する感想は書きません。私の軽い感想など書けません。ただ、静かに思いを寄せたいと思います。また、一人で、この手記が展示されているという大町山岳博物館に、行ってみようと思います。
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「孤高の人」

「単独行」

「風雪のビヴァーク」

新田次郎「孤高の人」
加藤文太郎「単独行」
松濤 明「風雪のビヴァーク」

 Kさんから、今回の山行で、松濤明について、お話を聞くことができました。静かに語るKさんの思いに、少しずつ心が揺さぶられる私がそこにいました。そこで本を取り寄せてみました。              
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